企業が弁護士に依頼するべきタイミングとは?

1.経営課題が山積みのまま放置されていませんか?

企業規模の大小を問わず、経営を行うと必ず課題にぶつかります。そして、経営者の方々は、日々その課題を1つずつ解決し、企業の存続・発展にご尽力されているかと思います。

ただ、あまりにも経営課題が多すぎて、経営者1人では対処しきれないと感じたことは無いでしょうか。

例えば、法務視点での経営課題を「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」に分類した場合、次のようなものが挙げられます。

 

【ヒトに関する経営課題】

未払い賃金(残業代) 問題社員の辞めさせ方(解雇)
ハラスメント対策 労働時間管理、長時間労働の抑制
社内不祥事・内部告発への対応 社員教育(反抗的な社員への指導等)
就業規則・社内規程の整備 外部労働組合(ユニオン)との闘争
フリーランスとの付き合い方 働き方改革、その他法改正への対応

 

【モノに関する経営課題】

原材料高騰と価格転嫁 原材料不足に伴う納期遅延
PL(製造物責任法)対応 カスタマーハラスメント対策
ビジネスと人権(サプライチェーン対応) 販路拡大に伴う取引条件の設定
リサイクル・環境問題への対応 買い叩き等への対応(下請いじめ対策)
事業再構築(事業譲渡、株式取得など) 脱下請(特定取引先依存からの脱却)

 

【カネに関する経営課題】

売掛金などの債権回収 賃料増額申し入れへの対処法
キャッシュフロー改善 リスケ等の資金繰り対応
決済条件の変更(手形からの脱却) 人件費を含む経費削減策の実行
損害賠償への対応 経営者(個人)保証の解消
電子化への対応 事業再生、事業承継、M&A

 

【情報に関する経営課題】

ノウハウの保護 個人情報・パーソナルデータの利活用
知的財産権・データのライセンス 情報セキュリティ対策
広告・宣伝(マーケティング)の適正化 SNS炎上防止、風評被害対応
競業他社対策 従業員モニタリング、監視対応
カルテル・入札談合からの脱却 反社会的勢力との関係遮断

 

上記はほんの一例となります。

ただ、経営者がこれらを全部1人で対応するのは不可能と言わざるを得ません。

 

 

2.自社だけで解決できる!?

(1)他の従業員にも分担させる方法

上記1.で記載した経営課題について、経営者だけではなく、従業員を巻き込み社内全体で対応するという方法も有り得るところです。

ただ、経営者と従業員とでは、必然的に立場が異なりますので、経営者と同じ思い(課題解決が重要であること)で動いてくれるとは限りません。

このため、経営者の思惑通りに事が進み、経営課題の解決につながる保証がないという難点があります。

 

(2)インターネットを活用する方法

例えば、無料相談というキーワードで検索をすれば、たくさんの無料相談を実施している事業者が出てきます。この無料相談を利用して、経営課題の解決を図ることも考えられるところです。

たしかに、一部の経営課題については解決が可能だと思います。

しかし、無料相談ですので、無責任な回答や不正確な情報が提供される可能性はどうしても高くなります。この点の見極めを経営者ができないことには、一度は解決したと思った経営課題が、後で復活し(復活した場合は往々にして問題解決へのハードルが高くなっている)苦労を強いられることに注意を要します。

 

また、近時はSNSの発達により、たくさんの人から意見を聞くことができる環境となりました。そこで、多数意見を参考に経営課題の解決を図るということも考えられます。

ただ、多数意見が正しいという保証がどこにもないことを経営者は押さえておく必要があります。特に、SNS内で示される多数意見は、一般社会では非常識な見解に分類されるということもしばしばです。

結局のところ、経営者が適法・適切・妥当な意見なのか判別できないことには、経営課題の解決に資するどころか、かえって経営課題を増やすだけの結果につながりかねないことを意識する必要があります。

 

なお、Google等のキーワード検索を利用して、検索結果に反映されたコンテンツ等を参照し、経営課題の解決を図ることは、以前より行われていたところです。

たしかに、近時は検索性能の向上により、調査したい事項と検索結果に反映される回答内容とが一致することが多くなってきました。

ただ、やはり検索結果に反映されたコンテンツにある回答内容が、果たして最適解といえるのか、どこにも保証がありません。

このため、経営者の判断能力が求められること、他の方法と同様となります。

 

(3)一経営者としての体験談(失敗談)

上記(1)及び(2)では、自社のみで経営課題を解決することは、なかなか難しいところがあると記載しました。

もっとも、自社の経営課題を解決するには、最終的には自社が動くほかありません。その意味で、自社で経営課題を解決しようと取り組むこと、これ自体は素晴らしいことであり、是非とも続けて欲しいところです。

 

ちなみに、執筆者(法律事務所の経営者であり弁護士です)も一経営者として、様々な経営課題を抱え、自分でできることは自分で解決を図ろうとしてきました。特に弁護士である以上、法律問題であれば自分で解決できると考えていました。

しかし、執筆者自身の弁護士報酬の未回収事例では、クライアントから相談を受けた場合であれば絶対に実践しないような凡ミスをしてしまい、頭に血が上っていると判断し、結局は他の弁護士に回収依頼を行いました。また、弁護士会に嫌がらせ目的の懲戒申立てが行われ周囲に相談した際、冷静な判断ではないと咎められ、やはり他の弁護士に委任しました(なお、もちろん懲戒に相当するような行為はないと結論付けられ、手続きは終了しています)。

上記のような事例で痛感したのは、やはり餅は餅屋…と言うとおり、専門家に任せたほうが適切な経営課題への対処ができますし、何より精神的にも身体的にも負荷が軽減されるという点です。

 

一経営者である執筆者が是非強調したいのは、変化の激しい世の中において、経営者に求められていることは、自分でやるべきことと他人に任せてもよい(任せたほうがよい)ことを的確に取捨選択することではないでしょうか。

 

(4)他社の事例

問題社員に手を焼いている経営者よりご相談を受け、時間はかかるものの手順を踏めば解決に至ることができそうな事例がありました。

ただ、その手順は厄介なところがあり、おそらく経営者及び担当者のみでは対処しきれないと予測されることから、執筆者より、継続的に弁護士を関与させたほうが良い旨ご提案させていただきました。

しかし、経営者より、自社のみで対応したいとの返答があったため、執筆者はそれ以上の関与を控えていました。執筆者も忘れかけていた数ヶ月経過しところで、その経営者より「労働組合が会社近辺で街宣し、弁護士からも通知書が届き、労働基準監督署からも呼び出しがあった。助けて欲しい」という連絡がありました。話を聞いたところ、もはや手遅れと言わざるを得ず、如何にしてこれ以上の情勢悪化を防止しながら、撤退戦に耐え抜くのかを考えるほかない…という状況でした。

上記事例以外にも、弁護士が継続的に関与していれば、経営課題を安価に早期解決できたはずなのにといった事例を多数経験してきました。

その度に執筆者は、“もっと弁護士関与の必要性を強く言っておけばよかった”と後悔の念に駆られます。

 

 

3.解決策としての顧問弁護士制度

(1)顧問弁護士の位置づけ

経営課題の解決を図るのは、究極的には経営者の仕事です。

ただ、解決を図りたくても、何をすればよいのか分からない、どこから手を付ければいいのか分からない、自分一人だけでは手が回らない…といった悩みを抱えているかもしれません。

そういった悩みを抱えているのであれば、是非弁護士に声をかけてみてください。

そして、相談した弁護士と共感できそうであれば、その弁護士を経営者の伴走者として迎え入れてみてはいかがでしょうか。

この伴走者たる弁護士こそが「顧問弁護士」です。

 

(2)いつ顧問弁護士に依頼するべきか?

執筆者が顧問弁護士として関与した事例をいくつか挙げ、そのタイミングにつきコメントをしておきます(なお、事例については特定を避けるため一部デフォルメしています)。

 

【事例1】

最近、元請と下請が直接連絡を取り合うことが増えている。

現時点で何か影響が出ているわけではないが、やや不安を覚える。

上記事例では、この後にクライアントを飛び越えて、元請と下請との直接取引が開始されるという事態に至りました。ただ、この事態を想定した顧問弁護士が、予め複数の対処法とそれぞれのフローチャートを準備していたため、従来通りの取引が継続することとなりました。

なお、単発で弁護士に相談していただけでは、事前準備はできず、対策を講じる時機を逸して、結果的に取引関係からの排除という最悪の結果を招いていたと思われます。

この事例からは、紛争が起きる前であっても、社長が直感的に悪いことが起きそうと思ったその時が、顧問弁護士を依頼するタイミングである、と言えるかもしれません。

 

【事例2】

一部従業員と労使紛争が発生し、それ相応の費用負担を強いられた。

同様の問題を二度と起こさないよう、対処しておきたい。

上記事例では、事の推移を見ていた他の従業員が、後日同様の請求を行ってきました。しかし、顧問弁護士が労使紛争を機に、同時並行で社内規定の整備と制度変更を進めていたため、請求を拒否することが可能となりました。

なお、単発で労使紛争への対応のみを依頼していただけでは、将来発生することが予想される同様の労使紛争に対処することが難しかった(同じような費用負担を余儀なくされた)と思われます。

この事例からは、ある事象をきっかけに、他にトラブルのタネが潜んでいないか調査したいと思ったその時が、顧問弁護士を依頼するタイミングである、と言えるかもしれません。

 

【事例3】

会社規模が大きくなり、ある程度の経営裁量を某従業員に委ねて分業体制とした。

ところが、某従業員が主導して労働組合を結成し、組合活動にかこつけて会社の乗っ取りを図ろうとした。

上記事例では、組合活動が先鋭化し、社長の心が折れかかっていました。しかし、社長派の従業員を巻き込みながら、最終的には某従業員を社外に追い出すことで決着をつけることができました。

なお、日々刻々と事態が動く事例の場合、単発での相談だけでは適時に的確な対処を実行することはできず、決着をつけることが困難な事例だったのではないかと思われます。

この事例からは、会社の規模・組織が整い、経営効率改善のための施策を模索し始めた時が、顧問弁護士を依頼するタイミングである、と言えるかもしれません。

 

【事例4】

事業の多角化を図るため、全く畑違いの新規事業を開始することになった。

ただ、誰でも思いつく事業分野なのに、誰もやっていないことが気になっている。

上記事例では、誰もやっていない理由が、厳格な許認可取得が必要であり、やりたくても参入ができなかったというものでした。そこで、顧問弁護士としてビジネスモデルの再構築段階から常時関与し、許認可機関との折衝も行いながら、参入障壁が低いビジネスモデルに転換することで実施可能となりました。

なお、単発でビジネスモデルに関する相談を受けるだけの場合、弁護士はダメ出しをするだけで、ビジネスモデルの転換まで話が進まなかったと思われます。

この事例からは、新規事業、新たなプロジェクトを始動させる時が、顧問弁護士を依頼するタイミングである、と言えるかもしれません。

 

【事例5】

特定の取引先のみに依存する現状はリスクが大きいと考えている。

脱下請を目指して、色々と動いていきたい。

上記事例では、理屈の上では経済活動の自由がある以上、好き勝手にやればよいという考え方も成り立ちます。しかし、いきなり特定の取引先との取引を打ち切るわけにはいかないため、脱下請を目的とした事業活動が既存取引先に対して悪影響を及ぼさないか、及ぼすのであれば打開策はないか等を慎重に判断する必要がありました。また、新規取引先との交渉の仕方、交渉が成立した場合の契約書の作成なども必要となりました。

なお、単発での相談に留まった場合、契約書等のペーパー判断に留まり、現場担当者のヒアリングにより明らかとなった慣行・慣習や取引先からの口頭指示などを考慮した判断を行うことは難しかったと思われます。

この事例からは、自ら経営環境の変革を起こす時が、顧問弁護士を依頼するタイミングである、と言えるかもしれません。

 

 

4.リーガルブレスD法律事務所の顧問弁護士サービス

(1)リーガルブレスD法律事務所では、次のような特徴を有する顧問弁護士サービスを提供しています。

 

①業種別に顧問弁護士サービスを設定していること

当事務所の代表弁護士は、2001年より弁護士活動を開始しているところ、これまでに関与することで蓄積された事例をもとに、業種別でサービス内容を異にする顧問弁護士サービスを開発し、経営者の皆様にご提案しています。

各業種の取引実情に応じて、頻繁に起こり得る事項については、できる限り月額顧問料の範囲に収まるように設計しているのが特徴です。

詳細は次の通りですので、是非ご覧ください。

 

業種別の顧問弁護士プランはこちら>>>

 

②顧問弁護士サービスの契約期間を自由に設定できること

当事務所では、経営者が必要と考える期間のみ、顧問弁護士サービスをご提供するという方針を採用しています。したがって、当事務所の顧問契約では、原則として契約期間が定められておらず、いつでも解約可能としています。

必要な時に、必要な分だけで顧問弁護士として関与してもらう、といった柔軟なご利用が可能であることが、当事務所の顧問弁護士サービスの特徴となります。

なお、一定期間内に完結するプロジェクトに弁護士を随時関与させることを目的とした、プロジェクト型顧問弁護士サービスもご提供しています。

 

プロジェクト型顧問弁護士サービスはこちら>>>

 

③EAP(従業員支援プログラム)を導入していること

近時は人材不足をどのように解消するかが重要な経営課題となっています。

人材不足を解消するには、必要な人材を新規で雇い入れること、既存の人材の離職を防止することが必要となりますが、EAPサービスは特に後者に効果的な制度となります。

例えば、従業員が何か困っている様子を見かけた場合、経営者はその従業員に声をかけ、相談に乗ったりしているかと思います。その相談の中に法律的な問題が含まれている場合、いくら経営者といえでも、安易にアドバイスするわけにはいきません。しかしだからといって、そのまま従業員を放置するわけにもいかないというのが心情ではないでしょうか。

そういった場合、顧問弁護士がその従業員の悩みを聞き、必要なアドバイスを行うというのがEAPサービスとなります。

当事務所では、EAPサービスをご提供することで、少しでも従業員満足の向上にお役立ちできるようにしています。

 

(2)約200社の顧問弁護士としての実績

当事務所は、これまでに約200社の顧問弁護士としての実績があり、この活動により得られた知見やノウハウ(業界特有の取引慣行、法律に書かれていないルール、法的手続き以外の解決法など)を保有しています。

当事務所の顧問弁護士サービスをご利用いただく経営者の皆様には、この知見やノウハウを用いていただくことが可能です。

 

 

5.リーガルブレスD法律事務所のこだわり

 

当事務所は「中小企業に法の恩恵を」という経営理念を掲げています。

これは、せっかく企業や事業者を守る法律が存在していたとしても、経営者はその存在に気が付いておらず、また気が付いていたとしても積極的に活用しないために法の利益を享受できないという、現状を少しでも変えたいと考えたことに由来します。

経営者の皆様におかれましては、リーガルブレスD法律事務所の顧問弁護士サービスを利用していただくことで

 

・経営課題を解決できるようになる

・経営に集中できるようになる

・精神的にも肉体的にも余裕が生まれるようになる

 

ことを実感して頂き、そこから派生して

 

・顧客を笑顔にする商品・サービスを提供できるようになる

・従業員が会社に誇りを持てるようになる

・社会全体に貢献できるようになる

 

ところまで、一緒に伴走できればと考えています。

そして、究極的には

 

・経営が楽しくなる

 

と思って頂けるように尽力したいと考えています。

 

 

6.今すぐお問い合わせを!

 

リーガルブレスD法律事務所の顧問弁護士サービスに関心・興味を持っていただけたのであれば、下記よりお問い合わせください。

ご相談メニュー

当事務所で対応させていただける、リーガルサービスメニューの一部をご紹介させていただきます。どんなに些細なご相談でも、お気軽にご相談ください。
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  • 顧問契約について

業種別の法務サービスメニュー

当事務所が契約をさせていただいている顧問先の業種は多岐に渡っており、日々様々な業種の法務問題に取り組んでおります。こちらに記載のない業種のご相談についても積極的にお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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