メールのモニタリング調査は可能か?
質問
当社は従業員1人に対し1台のパソコンを貸与し、業務遂行のために利用させていますが、どうやら私用メール等にも利用されているようです。
そこで、抜き打ちでメールのモニタリング調査を行おうと思うのですが、問題ないでしょうか。
回答
就業規則などで私的利用を制限しているのであれば、基本的に可能と考えて良いでしょう。
ただ、プライバシーとの関係もありますので、事前に、例えば「1ヶ月に1回チェックする場合がある」等のモニタリング方法に関する告知(社内規程の整備)を行った方が無難でしょう。
【ポイント】
プライバシーが尊重されるのは当然です。
ただ、勤務時間中は仕事をしなければならないという労働契約上の義務がある以上、従業員の勤務状況などを調査する目的でのモニタリングはやむを得ないものと考えられます。
また、個人情報保護法が制定された際に経済産業省が公表した、「個人データの取扱いに関する従業者及び委託先の監督、その他安全管理措置の一環として従業者を対象とするビデオ及びオンラインによるモニタリング」でも、労働組合等との協議の上での周知を行うこと、モニタリングの目的を開示すること、実施責任者と権限を定めること、実施状況に関する監査等を行うことが望ましいとしていますが、モニタリングを行うことを否定していません。
ところで、実際の運用方法ですが、いきなりメールの内容を確認するのではなく、
① まずは、メールの送信者・受信者、送受信日時、件名、添付ファイルの有無等の外形的事実から確認する
② モニタリング実施過程において業務と無関係の私用メールが多数発見された、あるいは企業秘密の漏洩のおそれが生じた等の事由が確認された場合に、メールの内容を確認する
とした方が適当と考えます。
なお、私用メールの発見により業務に支障が出ている場合には、懲戒処分の対象となります。
※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。