家庭用品品質表示法と表示について①<繊維製品>
家庭用品品質表示法と表示について①<繊維製品>
1.家庭用品品質表示法
消費者が日常使用する家庭用品を対象として、事業者に対し、品質(成分・性能・用途など)に関する表示を義務づける法律です。
2.対象となる家庭用品とは何か?
家庭用品品質表示法2条1項1号では、「一般消費者が通常生活の用に供する繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨工業品のうち、一般消費者がその購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、その品質を識別することが特に必要であると認められるものであつて政令で定めるもの」と規定されています(ちなみに、2号では繊維製品の原材料についても一部対象になることを定めています)。
結局のところ、家庭用品品質表示法施行令をみて確認するしかないのですが、繊維製品35品目、合成樹脂加工品8品目、電気機械器具17品目、雑貨工業品30品目が定められています。
なお、具体的には、消費者庁が公表している 「家庭用品品質表示法とは」 というWEBが参考になるかと思います。
3.繊維製品の表示について
繊維製品ごとに細かく決まっているのですが、共通事項としては、「表示者名」及び「連絡先」を記載する必要がある点です。
あとは、製品ごとに「繊維の組成」「はっ水性」「家庭洗濯等の取扱い方法」となりますが、非常の細かく定められていますので、消費者庁が公表している 「繊維製品一覧表」 というWEBページで一つ一つ確認していくのが無難かと思います。
4.繊維製品を家庭用品品質表示法との関係で留意すべき事項
(1)海外からの輸入繊維製品を取り扱う場合
家庭用品品質表示法はあくまでも日本の消費者に対して販売する場合に適用される法律であり、国際的なルールとはなっていません。
従って、表示方法については日本独自のものであることから、海外で生産された繊維製品には必ずしも同法に基づいた表示が行われているとは限りません。その結果、輸入して販売しようとする業者自らが、同法に基づいた表示を行うよう対処する必要があります。
(2)原産国表示について
家庭用品品質表示法では、原産国表示について規定はありません。
しかしながら、原産国表示に関する問題は、景品表示法が規制対象となっているため注意が必要です。なお、景品表示法だけを読んでも原産国表示に関する条文上の規定はありません。景品表示法4条1項3号に基づき公正取引委員会が定めた「商品の原産国に関する不当な表示」という告示が根拠となります。
この告示では、次のような規定がなされています。
1. 国内で生産された商品についての次の各号の一に掲げる表示であって、その商品が国内で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であると認められるもの
① 外国の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの表示
② 外国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示
③ 文字による表示の全部又は主要部分が外国の文字で示されている表示
2. 外国で生産された商品についての次の各号の一に掲げる表示であって、その商品がその原産国で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であると認められるもの
① その商品の原産国以外の国の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの表示
② その商品の原産国以外の国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示
③ 文字による表示の全部又は主要部分が和文で示されている表示
なお、消費者庁(但し公正取引委員会が公表していたものを引き継いでいます)における解釈や運用基準については、次のとおり公表されていますので、ご参照頂ければと思います。
※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。