利用規約の違反者に対して損害賠償請求をする場合の注意点とは
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【ご相談内容】
当社がWEB上で展開しているサービスに対し、言いがかりとしか思えないクレームを頻繁に行ってくるユーザがいます。
当社は、このユーザ対応に相当な作業工数を取られているところ、あまりに執拗かつ理不尽な要求が多いことから、当社利用規約に定める禁止事項(営業妨害)であると判断し、違約金の請求を行おうと考えています。
当該ユーザは利用規約に同意している以上、違約金請求に何ら支障はないと考えているのですが、何か注意するべき事項があれば教えてください。
【回答】
利用規約に違約金条項を整備し、その利用規約についてユーザより同意を取得しているというのであれば、原則的には、利用規約に基づいて違約金を請求することは問題が無いようにも思われます。
しかし、例えば、違約金が著しく高額である、違約金の発生条件が不合理であるといった場合にまで、違約金請求が常に可能となるわけではありません。民法の定型約款に関する規制、消費者契約法による規制、公序良俗違反(民法第90条)などの規制があるからです。
そこで本記事では、違約金や損害賠償額の予定条項が設けられるのか損害賠償の原則論から検討した上で、違約金及び損害賠償額の予定に関する法規制の内容と対応策につき解説を行います。
【解説】
1.損害賠償請求の原則
損害賠償請求を行うために考えられる法的根拠は、①債務不履行(契約違反)と、②不法行為の2つが考えられます。
(1)債務不履行(契約違反)
債務不履行(契約違反)とは、当事者間で合意したにもかかわらず、一方当事者がその合意内容に違反することをいいます。そして、この債務不履行(契約違反)によって損害が生じた場合、合意内容に違反した者は相手方に対し、損害賠償義務を負担することになります。
これらの内容を整理し、債務不履行に基づく損害賠償請求を行うための要件をまとめると、次のようになります。
・債務の発生原因(当事者間で契約を締結したこと)
・債務不履行の事実(一方当事者が契約に違反したこと)
・損害の発生と額
・債務不履行と損害との因果関係
(2)不法行為
不法行為とは、契約関係がない当事者間において、一方当事者が法律上要求される注意義務に違反することをいいます。そして、この不法行為によって損害が生じた場合、注意義務に違反した者は相手方に対し、損害賠償義務を負担することになります。
これらの内容を整理し、不法行為に基づく損害賠償請求を行うための要件をまとめると、次のようになります。
・(被害者において)法的に保護される権利又は利益の存在
・(加害者が)当該権利又は利益を侵害したこと
・侵害したことへの故意または過失
・損害の発生と額
・侵害と損害との因果関係
(3)損害賠償請求を行う上での課題
利用規約違反者に対する損害賠償という場面を考えた場合、利用規約=契約となりますので、基本的には債務不履行(契約違反)に基づく損害賠償請求を行うことが考えられます。
もっとも、利用規約に明記されていない事項、例えば利用規約の禁止事項に明記はされていないものの、ユーザの行為に問題があると考える場合は不法行為に基づく損害賠償請求を行うということもあり得る話です。
ところで、債務不履行(契約違反)又は不法行為のどちらを法的根拠にした場合であっても、「損害の発生」と「損害額」を、損害賠償を請求する側が証明しなければなりません。そして、この「損害の発生」と「損害額」が現場実務では非常に難問であり、ある意味で法務担当者や弁護士の腕の見せ所といっても過言ではありません。
どういうことかというと、例えば、ユーザが利用規約に違反したことで、事業者が色々と対応に苦慮し迷惑を被ったという事例を想定します。この事例において、どのような損害が発生したかを検討する場合、対応に苦慮したことを捉えて慰謝料損害が発生したと考えるかもしれません。また、迷惑を被ったという点を捉えて営業妨害損害が発生したと考えるかもしれません。
しかし、慰謝料は精神的損害であるところ、精神的損害は人身損害が発生した場合に認められるものであって、本件のような事例の場合に慰謝料損害が発生するとは考えにくいところです。一方、営業妨害と一口で言っても、具体的にどのような営業が妨害されたのか(単なる利用規約違反対応であれば、想定範囲内のことといえないか、想定外の営業妨害とは何を指すのか等)を理論的に説明することは非常に厄介です。
上記のように、「損害の発生」を法的に説明することは、難易度の高い作業となります。
次に、「損害の発生」を法的に説明ができたとしても、さらに待ち受けるのが「損害額」の裏付けです。
伝統的な法解釈論では、損害額の算定は差額説と呼ばれる解釈論を用います。具体的には…
「債務不履行・不法行為がなかったのであれば得られたであろう利益」-「債務不履行・不法行為により現実に得た利益」
という算式を用いるのですが、上記のような営業妨害の場合、そもそも得られたであろう利益と現実に得た利益を数字化することは非常に困難です。困難であるが故に、損害賠償が認められない、認められても極めて低額という裁判例がいくつも存在します。
以上の通り、損害賠償請求を行うためには「損害の発生」と「損害額」というハードルを乗り越える必要があるのですが、このハードルを簡単に乗り越える方法があります。
それが、損害賠償額の予定又は違約金をあらかじめ定めておき、当事者の同意を得るという方法です。この方法を用いることで、「損害の発生」と「損害額」について、法的な理屈付けと裏付けを行うことが不要となります。
せっかく利用規約を制定し、ユーザより当該利用規約の同意を得るのであれば、損害賠償額の予定又は違約金を定めておくことを強くお勧めします。
2.損害賠償額の予定or違約金を定める場合の一般的な法的注意点
損害賠償額の予定又は違約金を利用規約に定める場合、無条件に何でも定めてよいという訳ではありません。
当然のことながら、法律上一定の限界ラインがあります。
とろろで、タイトルでは「一般的な法的注意点」と書きましたが、後述3.と比較する意味で用いています。すなわち、ユーザが消費者であるか否かを問わず、適用があるという意味です。
(1)定型約款の不当条項規制
定型約款とは、「定型取引(=ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なもの)において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体」のことをいいます(民法第548条の2第1項)。
おそらく利用規約を制定している事業者は、ユーザに対して、利用規約に同意するか否かの選択肢しか与えていない、利用規約に不同意のユーザとは取引を行わない、ユーザと個別交渉することで利用規約の内容を変更させることを想定していない、のではないでしょうか。そうであれば、制定している利用規約は、民法の定型約款に該当すると考えてまず間違いありません。
さて、定型約款に該当する場合、民法第548条の2第2項では、次のような規制を設けています。
(省略)…相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第1条第2項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。 |
損害賠償額の予定又は違約金を定めた条項は、相手方に義務を課す条項に該当します。
問題は、その内容が「加重する」といえるのかになるのですが、これは一律に判断されるものではなくケースバイケースの判断となります。例えば、営業妨害の事例で考えた場合、実際には法律上の損害の発生が想定できない場合もあるにもかかわらず、一律に一定の金銭負担をユーザに義務付ける条項を定めた場合、「加重する」条項に該当すると考えられます。
次に、加重する条項に該当することを前提に、「相手方の利益を一方的に害すると認められるもの」に該当するかが問題となります。これについてもケースバイケースの判断と言わざるを得ないのですが、例えば、営業妨害の事例で考えた場合、ユーザが禁止事項に違反することで事業者が被る損害が最大でも10万円程度しか想定されないにもかかわらず、損害賠償額の予定又は違約金として1000万円を定めたとなると、「相手方の利益を一方的に害すると認められるもの」に該当と考えられます。
このような検証を踏まえ、損害賠償額の予定又は違約金を定めた条項が民法第548条の2第2項に該当する場合、合意しなかったものとみなす=合意不成立という取扱いになりますので、当該条項に基づく損害賠償請求を行うことは不可という結論になります(なお、当然のことながら、民法上の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を行うこと自体は否定されません)。
ちなみに、民法第第548条の2第2項は、2020年4月1日よりルール化されたものであり、裁判例等の蓄積がない状態です。このため、民法第548条の2第2項に該当しないようにするためにどのような対策を講じればよいのか不明確なところがありますが、次に述べる公序良俗違反対策を参考に準備しておくことが、現時点(本記事執筆は2023年3月)では有用と考えられます。
(2)公序良俗違反
民法第90条は、次のように定めています。
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。 |
いわゆる一般条項と呼ばれるものであり、これもまたケースバイケースの判断になるため、損害賠償額の予定又は違約金を定めた条項が民法第90条により無効と判断されるか否かは予想が付きづらいところがあります。
ただ、上記(1)の営業妨害の事例で示した通り、ユーザが禁止事項に違反することで事業者が被る損害が最大でも10万円であるにもかかわらず、損害賠償額の予定又は違約金として1000万円を定めたとなると、暴利行為として民法第90条により無効と判断されると考えられます。
なお、違約金の定めと民法第90条に関する裁判例は意外と多いところ、1つの考慮事項として、違約金の金額がどのように決められたのか、違約金によって事業者が補填を受けようとする損害内容と損害額は何なのかという対価性が重視されているように思われます。逆に言えば、違約金を徴収することで不当な利益を得ていると疑いをかけられた場合、民法第90条により無効(一部無効の場合を含む)と裁判官は考える可能性が高いといえます。
後述3.(1)で解説する「平均的な損害の額」(消費者契約法第9条第1項)に関する考え方を参照しつつ、事業者は算定根拠につき合理的言説明ができるようにしておくことが、民法第90条対策といえます。
3.ユーザに消費者が含まれる場合の法的注意点
ユーザに消費者が含まれる場合、上記2.で解説した規制よりも先に消費者契約法を意識する必要があります。
この点、消費者契約法では、解除した場合に生じる損害賠償額の予定又は違約金に関する規制と、解除以外の場面で生じる損害賠償額の予定又は違約金に関する規制の2つに分けて規制が行われています。
また、消費者契約法の改正により2023年6月1日より新たな規制が追加されますので、その内容も押さえておく必要があります。
(1)解除に伴う損害賠償額の予定又は違約金に対する規制
消費者契約法第9条第1号では次のように定められています。
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
①当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの …当該超える部分 (※2号省略) |
要は、事業者は、多数の事案によって実際に生じる平均的な損害の賠償を受けることは可能であるが、それ以上の賠償を受けることは許されないという内容です(念のため捕捉しますが、損害賠償額の予定又は違約金を定めず、事業者がユーザに対して、債務不履行(契約違反)又は不法行為に基づき、個々に生じた実損害を請求する場合は、平均的な損害を超える部分についても賠償を受けることができます。平均的な損害を超える部分がNGとされるのは、あくまでも解除に伴う損害賠償額の予定又は違約金を定めることで、損害賠償を受ける場面に限定されます)。
さて、この条項の適用を巡って問題となるのは「平均的な損害」とは何かという点です。
この点、「当該消費者契約の当事者たる個々の事業者に生じる損害額について、契約の類型ごとに合理的な算出根拠に基づき算定された平均値であり、解除の事由、時期の他、当該契約の特殊性、逸失利益・準備費用・利益率等損害の内容、契約の代替可能性・変更ないし転用可能性等の損害の生じる蓋然性等の事情に照らし判断する」と考えるのが一般的と考えられます(東京地方裁判所平成14年3月25日判決を参照)。
なお、平均的な損害を検討する上で、誤解の多い事項として、ここでは3点指摘しておきます。
①業界平均を意味しないこと
消費者と契約をした個々の事業者において、当該消費者との契約が解除となった場合に個々の事業者が被る損害の平均を超えて徴収してはならない…というのが消費者契約法第9条第1項に定めている内容となります。
したがって、損害賠償額の予定又は違約金を設定するに際しては、個々の事業者が被るであろう損害を予測すると共に、合理的な算出方法を準備する必要があります。
②逸失利益について裁判例が割れていること
逸失利益とは、事業者と消費者との契約がそのまま履行されていれば、事業者が得られたはずの利益のことを指します。
この逸失利益が「平均的な損害」に含まれるのかについては裁判例が分かれているため、事例によっては、逸失利益を含むことで「平均的な損害」を超えると判断される可能性があります。もっとも、解除された場合に他のユーザと契約することで埋め合わせすることが容易ではないといった事情があれば、逸失利益が「平均的な損害」に含まれると判断されやすいようです。したがって、事業者は「平均的な損害」を算出するに当たり、利益を代替・補完することが可能かについても検討し、合理的根拠を示すことができるよう準備することが望まれます。
③立証責任が消費者側にあることを理由に安心しないこと
少し調査すれば分かるのですが、「平均的な損害」がいくらかについては、実は消費者側で証明する必要があります。
ただ、個々の事業者における「平均的な損害」を算出することは、消費者側において容易とは言えません(個々の事業者固有の事情を消費者が調査することは限界があるため。また証拠資料が事業者に偏在しているため)。
この点を逆手にとって、高を括る一部事業者も存在するようですが、実際の裁判となると、裁判官の訴訟指揮により事業者が事実上証明責任を負わされることもあり、決して安心とは言えません。また、後述(3)で記載する通り、事業者が保有する情報を消費者側に開示しなければならないという法改正が2023年6月1日よりスタートします。
「平均的な損害」を算出するための根拠を隠し通すことで、消費者トラブルを乗り切ることは難しいと肝に銘じておく必要があります。
(2)解除以外の場面での損害賠償額の予定又は違約金に対する規制
上記(1)で記載した消費者契約法第9条第1号は、あくまでも解除に伴う損害賠償額の予定又は違約金を定める場合に限定して適用されます。
したがって、解除以外で損害賠償額の予定又は違約金の定めを置く場合、例えば、利用規約上の禁止事項に違反したことを理由とする制裁罰として一定の違約金支払い義務を課すという場合、消費者契約法第9条第1号の適用はありません。
もっとも、消費者契約法第10条に注意を払う必要があります。
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。 |
上記2.(1)で記載した定型約款の不当条項規制(民法第548条の2第2項)と非常によく似ています。ただ、消費者契約法第10条は、事業者とユーザ(消費者)との構造的な情報・交渉力格差があることを前提に個別具体的な事情を考慮対象とするのに対し、定型約款の不当条項規制は、不特定多数のユーザと定型的な取引を行うことを前提に類型的な事情を考慮対象とするという点で相違があるとされています。とはいえ、どちらもケースバイケースの判断が求められますので、現場実務で検討を行う限りでは、あまり相違点を意識する必要はないかと思われます。
さて、消費者契約法第10条は、次の2つの要件を充足する必要があります。
①法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であること
②民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項であること
まず、①ですが、「法令中の公の秩序に関しない規定」とは任意規定と呼ばれるものです。任意規定との対義語として強行規定がありますが、実のところ、任意規定or強行規定の区別は法律に明示されているわけではありません。強行規定の内容を特約で変更した場合、消費者契約法第10条によるまでもなく当然に無効となりますので、任意規定or強行規定の区別については弁護士等の専門家より見解を得たほうが無難です。
ところで、「法令中の…規定」と定められていることから、いくら不当であっても法律に書いていない事項に関する合意内容であれば、そもそも消費者契約法第10条の問題にならないのではと思われるかもしれません。しかし、この点については、法令に明文化されていない契約の一般法理、取引慣行、裁判例などを含むという解釈が定着しています。したがって、この点は誤解なきよう注意してください。
要は、①の要件は、任意規定や裁判例等と比較して、消費者にとって不利な条項を定めた場合と考えておけば間違いありません。
次に、②ですが、最高裁判所が「当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきもの」と判断しています(最高裁判所平成23年7月15日判決を参照)。
例えば、カスタマーハラスメントを原因とした営業妨害の事例を想定した場合、たしかに利用規約に定める禁止事項に違反するものであるとはいえ、実損の有無及び程度を検討することなく一律に違約金1000万円の支払い義務ありと定めていた場合、一消費者では通常負担しえない金額であり不利益性が高いとして、消費者契約法第10条に違反し無効となる可能性が高いと考えられます。
(3)改正消費者契約法との関係(2023年6月1日施行予定)
上記(1)で少し触れましたが、2023年6月1日より、事業者は消費者側に対し、損害賠償額の予定又は違約金の算定根拠を説明する努力義務が課せられるようになります。厳密には、ユーザ(消費者)に対しては算定根拠の概要を、適格消費者団体に対しては算定根拠を説明する努力義務が課せられる点で差異が生じますが、いずれにせよ
・商品、権利、役務等の対価
・解除の時期
・消費者契約の性質
・消費者契約の代替可能性
・費用の回復可能性
などの考慮要素を加味しながら、消費者側より要請があった場合に算定根拠を説明ができるよう準備を行う必要があります。
なお、努力義務であるが故に、説明を拒否しても直ちに違法とはならないのではと考える方もいるかもしれません。
たしかに、形式的にはその通りなのですが、しかし裁判という場面になった場合、説明を拒否したことが事実上不利に作用する可能性は十分あり得ます。
したがって、一切の説明を拒否するというスタンスは取るべきではないと考えられます。
4.当事務所でサポートできること
利用規約に損害賠償額の予定又は違約金を定める場合、厳密に検証することなく、同業他社の利用規約等を参照しながら適当な数字を設定していることが多いと思われます。
しかし、ユーザが争ってきた場合、実質的には事業者が算定根拠を合理的に説明できない限りは回収が難しいという状況に陥ります。特に、ユーザに消費者が含まれるようなサービスを展開している場合、上記3.で解説した通り、消費者契約法が適用されることから、利用規約に書いてあるから請求OKと単純に判断できなくなります。
当事務所では、利用規約の作成及びチェックに際しては、裁判例等や社会的動向に気を配りつつ対処するようにしているところ、損害賠償額の予定又は違約金についてはその数字にこだわりをもって検証しています。
リーガルリスクを排除し、実効性のある利用規約の条項作成を行いたいのであれば、当事務所までご相談ください。
<2023年3月執筆>
※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。
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