ネット通販利用者からの商品クレーム
相談企業の業種・規模
■業種:製造業
■規模:従業員数10名以下
相談経緯・依頼前の状況
もともと下請事業者だったが、脱下請を目指し、当社オリジナル商品を製造販売することにし、当社WEBページのみで販売することにした。
商品利用者と名乗る者より、商品に不具合があり交換してほしいとのクレームが入った。
当社にある購入履歴を見てもクレーム申立者の氏名を確認できなかったことから、購入先に連絡してほしいと説明するも「購入先に連絡が付かない」と言い、不具合の有無を確認したいから商品を送付するよう要請するも「それはできない」と言い、そうであれば対処のしようがないと回答するも「世間に公表するぞ」などと言ってくる状況であり、埒が明かない。
解決までの流れ
お問い合わせを頂いた際、商品内容が分かるパンフレット等の資料を先に送付してほしいこと、法律相談当日までにクレーム申立者との交渉経過を時系列で整理するようお願いしました。
事前に商品内容を弁護士なりに理解した上で、交渉経過の詳細をお伺いしつつ、クレーム申立者が指摘するような不具合は発生しうるのか、他の顧客から同様のクレームが発生していないのか、ご相談者様においてクレーム申立者の言動につき不自然と感じる点はないか等々につき確認を行いました。その結果、同一時期に製造した商品を調査した限り不具合発生可能性は低いこと、同様のクレームは発生していないこと、クレーム申立者による商品使用方法につき疑義があることが判明しました。
そこで、商品交換に応じるつもりはない旨の正式文書を発行した上で、クレーム申立者が証拠を提示する等の新たな動きがあれば、その都度考えるという方針をとることをご提案しました。また、正式文書につき、弁護士名義で送付するか、文案自体は弁護士が考えた上で送付名義人は会社に留めるのかにつき、持ち帰って社内でご検討いただくことにしました。
翌日、弁護士名義で送付したいとの意向が示されたため、弁護士が作成した文案をご確認いただき、ご了承を得てから、配達証明付き内容証明郵便形式にてクレーム申立者に文書送付しました。クレーム申立者より弁護士宛に、相当感情的な電話がありましたが、弁護士より淡々と考え方と方針を伝えたところ、以後連絡はなくなりました。
何か新たな動きがあればご相談いただくという留保を付けつつ、一定期間の経過をもって作業終了となりました。
解決のポイント
ご相談者様において技術に自信がある、しかし客観的証拠をもって不具合があるのであれば素直に認めて責任を負担する、という一貫した方針があったため、不当なクレームに屈することなく対応ができました。
不利な事情があるにもかかわらず、これを隠して交渉を進めようとすると、本来解決できたものが、さらに拗れてしまい解決することが難しくなることもあるので要注意です。
解決までに要した時間
■約1ヶ月(法律相談から文書送付し、相手より連絡が入ってから4週経過するまで)
当事務所ならではのサービス
本件では弁護士名義で文書送付しましたが、いきなり弁護士名義で文書送付することは刺激が強すぎ、かえって紛争をこじらせてしまうという場合、文書案の作成、相手方からより連絡があった場合の応答の仕方など、ご相談者様のバックアップサービスをご提供することも可能です。
弁護士をどこまで関与させるのかについて、当事務所では柔軟に対応させて頂いています。
※上記はあくまでも一例です。案件ごとにより手順や結果が変わることもありますので、この点はご容赦願います。