システム開発取引でトラブル発生! 戦うための法的手続きと選択基準をアドバイス
Contents
【ご相談内容】
当社はシステム開発を受託し、制作した上で納品したのですが、ユーザより不具合があるとしてクレームを受けています。
そして、不具合が解消されない限り、開発費の支払いは行わないと言われています。
当社としては、ユーザが指摘する内容は不具合に該当しないと考えていますが、見解の相違が大きく一筋縄では解決できそうにありません。
システム開発取引に関する紛争を解決するための手法にはどういったものがあるのでしょうか。
【回答】
システム開発取引に関する紛争を解決するための手法として、①裁判外交渉、②調停、③ADR、④仲裁、⑤訴訟が考えられます。なお、紛争解決を間接的に促進する手法として、刑事告訴や監督官庁への申告といった手法を組み合わせることもあります。
ベンダとユーザの今後の関係性、勝敗の見込み、法的解決への順応、かけられる時間、負担可能な費用の程度など様々な要因を考慮しながら、紛争解決手法を選択及び組み合わせることになります。
【解説】
1.システム開発取引で生じる紛争
システム開発は、一般的に長期かつ相応の費用をかけて行われる取引であることから、その過程で様々なトラブルが発生しがちです。
典型的なものとしては次の5つ事例が挙げられます。
(1)契約に関するトラブル
システム開発の特徴の1つとして、取引開始時点ではベンダとユーザとの間でゴール(どのようなシステムを開発するのか)の共有が難しいという点があります。このため、開発プロジェクトのスコープ、納期、費用などが明確でない場合、契約の解釈を巡る紛争が発生しがちです。
また、開発途中でユーザが理想とするシステム内容に変更が生じることがあります。この変更に応じることが仕様変更に該当するのか、該当する場合の費用はどうするのかといった仕様変更による追加費用を巡る紛争が発生しがちです。
さらに完成したシステムがユーザの要望を満たさず、やり直しにつきベンダと見解の相違が生じる場合があります。このため、何をもって不具合に該当するのかといった契約不適合責任の有無及び内容を巡る紛争が発生しがちです。
(2)納期遅延・開発中止
当初想定していたシステム稼働日に間に合わず、スケジュールが大幅に遅延するといったことが起こりえます。この場合、ユーザの変更・追加要望や意思決定の遅れに原因があるのか、またはベンダの能力不足やスケジュールミスに原因があるのか、納期遅延の原因とその対処法を巡る紛争が発生しがちです。
また、納期遅延などに起因してシステム開発プロジェクトが頓挫することもあります。この場合、未払い報酬や損害賠償負担などの費用の清算を巡る紛争が発生しがちです。
(3)知的財産権に関するトラブル
システムに対する所有権や著作権の帰属に関し取決めを行っても、必ずしも所有権や著作権の対象とならないもの(例えば、サーバへのログイン情報やプログラム著作物に該当しないソースコードなど)があります。権利帰属に関する取決めが不十分な場合、システム利用に不可欠な情報の帰属又は開示・提供を巡る紛争が発生しがちです。
また、開発されたシステムにつき、第三者より権利侵害の警告を受けることもあります。この場合、第三者の権利侵害への対応を巡る紛争が発生しがちです。
(4)契約解除・未払い
納品が完了したシステムにつきユーザの期待を満たさない、あるいは開発工程におけるユーザの要求にベンダが付き合いきれない等の理由でシステム開発取引が解除されることがあります。この場合、そもそも解除が認められるのか、解除が認められた場合の補償といった、解除の可否や清算を巡る紛争が発生しがちです。
また、開発工程が全て完了したにもかかわらず、ユーザが何らかの理由で開発費用の全部又は一部につき支払いをストップすることがあります。この場合、開発費用の支払いを巡る紛争が発生しがちです。
(5)セキュリティ・データ管理の問題
開発したシステムに何らかの脆弱性があり、サイバー攻撃を受けたことでユーザが損害を被ることがあります。この場合、脆弱性の原因解明とこれに伴うベンダの帰責性を巡る紛争が発生しがちです。
また、サイバー攻撃を受けた場合はもちろん、システム開発段階でのミスによりユーザが保有する個人情報の漏洩事故が発生することがあります。この場合、損害賠償(損害の範囲及び金額を巡る紛争)が発生しがちです。
2.システム開発取引で発生した紛争の解決手法
上記1.で解説した通り、システム開発取引には様々なトラブルがつきものです。
このトラブルを解決するための手法としては、次のようなものが考えられます。
(1)裁判外交渉
裁判外交渉と書きましたが、要は“話合い”です。
ベンダとユーザ双方が、現在発生している紛争内容を正確に把握し、紛争に至るまでの経緯を確認し双方共有した上で、利害につき一部譲歩しながら冷静に協議できれば紛争を解決することは可能です。
ただ、紛争の矢面に立つ当事者は、冷静に協議すること自体難しいことがあります。また、相手方とは既に対立状態にある以上、経緯等の事実関係を共有することが難しいところがあります。さらに、様々な感情に支配されることで、自らにとって都合のよい事実と証拠だけに囚われてしまい、全体像が見えていないという事態さえ起りえます。
このような状態となった場合、本来話合いで解決できるものさえ解決できなくなりますので、交渉のプロフェッショナルである弁護士に依頼し、代理人として交渉してもらったほうが良い結果が得られる可能性が高いといえます。
ところで、対立する相手方と話合いを行うためのきっかけとして、内容証明郵便を用いることがあります。
ただ、内容証明郵便は、あくまでも当方の主張したいことを相手方に確実に伝達したことを証明する手段に過ぎません。このため、話合いを開始するために必ず内容証明郵便を用いなければならないといったルールは存在しません。特に、内容証明郵便を受領した相手方は、当方の態度が威圧的であると受け止める可能性が高いため、紛争内容につき当方に分が悪い場合は、あえて用いないほうが良いという判断も有り得るところです。
また、内容証明郵便を弁護士名義で送付した場合、どうしても相手方は最後通牒的な意味で受け取ることが多く、かえって相手方が意固地になって協議の機会を失ってしまうこともあります。そのため、文章自体は弁護士が作成し、内容証明郵便の送付名義人は当事者本人で行うといった工夫も考えられます。
裁判外交渉で内容証明郵便を用いる場合、その目的や送付後の展開を考慮しながら、戦略を練りたいところです。
その他内容証明郵便の使い方については、次の記事もご参照ください。
なお、裁判外交渉での解決が見込まれる場合、口頭で合意しただけでは、後で言った言わない論争となり、場合によっては紛争が蒸し返されるリスクがあります。
合意内容を記載した書面など、記録が残る方法で合意書を取り交わすことが必須となります。合意書の作成方法が分からない場合、あるいは相手方より提示された合意書の意味内容が分からない場合、弁護士に相談することをお勧めします。
(2)調停
ここでいう調停とは、裁判所が仲介役となり、当事者間の合意を促す手続きのことをいいます。要は、話合いの場を裁判所に設定した上で、裁判官(通常は裁判官より委託を受けた調停委員)を通じて合意解決を目指すということです。
ところで、調停はあくまでも、裁判所にて話合いを行うだけに過ぎません。このため、話合いが決裂した場合、裁判官が何らの判断(裁判手続きでいう判決)を示すことはありません。この観点からは、話合いにかけた時間と労力が無駄になるリスクをどうしても避けることができません。
ただ、特に都市部であれば、調停委員にシステム開発に詳しい専門家が選任されることが多く、紛争の帰趨につきある程度客観的な知見や見解を得られることがあります。裁判手続きにおける裁判官がシステム開発に明るくないことと比較すると、調停の方が手続きの進行が早く、そして結論の見通しを立てやすいというメリットがあります。
また、裁判手続きの場合、どうしても法律要件に当てはまる事項しか対象とできないのに対し、調停手続きの場合はそのような限定がありませんので、法律論以外に重大な関心事のある紛争解決に適した手続きと言えます。要は、解決策が柔軟になるということです。
さらに、裁判手続きは公開されるため第三者に紛争内容が知られてしまうのに対し、調停手続きは非公開であるため、第三者に紛争内容を知られにくいというメリットもあります。
なお、一般的には裁判手続きよりも、調停手続きは費用が安くなることも魅力的です(例えば、調停手続きに要する印紙代は裁判手続きの半額です)。
白黒はっきり結論を出すべき案件であれば、裁判手続きを行ったほうがよいと考えられます。しかし、当事者の関係性を今後も残す必要がある、関係性を解消するにしても一定の条件を定めておきたいといった場合は、調停を選択することも検討に値します。
ちなみに、調停手続きにおいて合意が成立した場合、裁判所が調停調書と呼ばれる合意書を発行します。調停条項の定め方にもよりますが、合意に違反した場合は法的制裁を加えることが可能となります。
(3)ADR
上記(2)は、裁判所に話合いの場を設定する方法でしたが、裁判所以外の第三者を介して話し合いを行うという紛争解決法もあります。
タイトルにあるADRとはAlternative Dispute Resolutionの略であり、日本語では裁判外紛争解決手続と訳されたりします。
例えば、システム開発に特化したADRであれば、SOFTICが設置するソフトウエア紛争解決センターがあります。また、著作権に特化したADRであれば、文化庁が設置する紛争解決あっせん制度があります。さらに、原則的に分野制限がないADRであれば、弁護士会が設置する紛争解決センターがあります。
調整役が裁判所以外の者になるという点以外は、ほぼ上記(2)で解説した内容が当てはまります。
ただ、執筆者が知る限り、おそらくADRを紛争解決手段として選択することは少ないのではないかと思われます。
理由は様々だと思うのですが、執筆者個人としては、①ADRは調停より費用が高くなりがちであること、②ADRにて解決ができなかった場合の次の一手に費用を要すること、の2点が大きいように感じています。
具体的には、調停の場合、調整役である調停委員に対して報酬を負担する必要がないのですが、ADRの場合は調整役に対する報酬負担を求められることがあるからです。また、調停の場合、調停が不成立となった場合、一定期間内に訴訟を提起すれば印紙代の割引特典があるのに対し、ADRの場合はそのような特典がないからです。
もちろん、これ以外の理由も想定されるところですが、執筆者個人の狭い経験だけでいうと、紛争解決手段としてADRをクライアントにお勧めすることはないというのが実情です。
(4)仲裁
仲裁とは、第三者である仲裁人が裁定を下すことで紛争解決を行う手続きのことです。国際取引の場では、訴訟よりも仲裁を解決手段として選択することが多いとされています。
さて、仲裁の一番のメリットは、調停のデメリットである話合いで解決ができない場合は時間と労力が無駄になるという問題がないという点です。すなわち、話合いによる解決ができない場合、仲裁人が判断を示し、当事者はその判断に法的に拘束される(=判決と同様の効力がある)ことになります。しかも、裁判のように上訴手続き(不服申立て)が想定されていないため、仲裁判断が最終結論になること、この点で紛争解決のスケジューリングがしやすいところもあります。
なお、場合によっては、その判断権者である仲裁人を当事者が選択できるという点も魅力的です。
一方、仲裁のデメリットは、①当事者双方が仲裁に合意しないことには手続きを開始できないこと、②一般的には裁判や調停よりも費用負担が高額になること、が挙げられます。
具体的には、契約書に必要な事項を明記した仲裁条項を定めておかないことには、仲裁手続きを進めることができません(理屈の上では、紛争後に当事者双方が仲裁合意することも考えられなくもありませんが、通常は仲裁合意に至ることはありません)。少なくとも国内取引における契約書では、合意管轄と呼ばれる裁判手続きに関する条項を定めることは多いのですが、仲裁合意に関する条項を定めることはレアケースというのが実情です。
また、上記(3)のADRでも触れましたが、調整役である仲裁人に対する報酬を当事者が負担する必要があります。どの仲裁機関を利用するかによって報酬額が異なるのですが、かなり高額に設定されていますので、調停や裁判と比較すると、当事者の金銭負担はかなり重くなります。
仲裁は、専門性や柔軟性、非公開手続きである点では活用の余地があるものの、執筆者は、国内でのシステム開発取引に関する紛争で仲裁を用いたことがなく、おそらく多くの事例でも紛争解決手段として仲裁が利用される事例は少ないものと思われます。
(5)裁判
裁判とは、裁判所を通じて紛争を解決する手続きのことです。
調停は裁判所に話合いの場を設置するだけでしたが、裁判は裁判官が最終判断を下しますので、時間と労力が無駄になることはありません。
ただ、国家権力が強制力のある判断を行うことから、厳格な手続きで進められ、かつ法律要件に当てはまる事項のみを取扱い対象とするため、どうしても最終判断まで長時間となりかつ紛争の一部しか解決できないという制約があります。また、裁判内容は原則公開されるため、裁判に対するネガティブなイメージを持つ人もまだまだ多いことから、レピュテーションが毀損されるといった問題もあります。さらに相手方とは死闘を尽くすことになりますので、将来的な関係修復は困難と言わざるを得ません。
とはいえ、相手方との話合いが難しいのであれば、さっさと裁判を起こしたほうが結果的に早く解決することがあります。また、何より当事者が主張立証を尽くした上で裁判所が判断するため、(たとえ敗訴しても)判断内容に納得しやすいという側面はあるようです。
なお、システム開発取引に関する訴訟は専門性が強く、一般的な訴訟とは異なる手続きで進むことがあります。この点については次の記事をご参照ください。
IT企業特有の民事訴訟類型と知っておきたい訴訟対応上の知識>>
ところで、裁判手続きは、全てが判決にて終了するわけではなく、むしろ和解にて終了することが多いとされています。すなわち、裁判手続きの途中で、裁判官が間に入って調停手続きのような話合いが行われるのが通常です。調停と大きく異なるのは、裁判官が判決になった場合はどういった結論を出すのかをある程度示しながら、当事者双方に話合いを促すことが多いという点です。当事者は予想される判決内容を考慮しつつ、和解による解決を受け入れるのか判断することになります。
さて、上記では裁判手続きは時間がかかると記載しましたが、一定の条件を満たすことで大幅な時間短縮を図ることが可能な裁判手続きが存在します。
1つ目は少額訴訟と呼ばれる制度、2つ目は支払督促と呼ばれる制度です。
少額訴訟は60万円以下の債権回収を求める場合に利用できる裁判手続きとなります。最大の特徴は1回だけ審理を行い、次は判決になるという点です。このように書くと未払い報酬や損害賠償額が60万円以下の場合、少額訴訟を積極的に用いたほうが良いのではと思われるかもしれません。
ただ、1回で審理が終わるということは、その1回に全ての主張したいことをまとめ、全ての証拠を整理して提出する必要があります。準備を怠ってしまうと不利な判決が出されますし、不服申立てが原則できませんので、よほど確証の高い事案でない限り、少額訴訟はかえってリスクを伴います。また、相手方が少額訴訟手続きで進めることに対し異議を出した場合、強制的に通常の訴訟に切り替えられてしまいます。この異議には理由もいりませんし、正当性も求められませんので、相手方の意向によっては少額訴訟で手続きを進めることができないという事態も想定されます。
以上のことから、少額訴訟は、確実に勝訴が見込まれかつ相手方が争う意思がない事案でしか事実上利用できない点に注意を要します。
次に、支払督促ですが、金額の上限はなく支払いを求める金額を記載した必要書類を簡易裁判所に提出し、書面審査を通過すれば強制執行が可能な状態になるという制度です。要は判決を入手したのと同じような状態になるのですが、書面審査しか行わないため、2ヶ月程度で強制執行が可能な状態になります。
ただ、これについても相手方が異議を出した場合は、支払督促手続きはストップし、通常の裁判に強制的に切り替えられます。この異議に理由は不要であり、異議内容の正当性も問いません。また、支払督促から通常の裁判に切り替わる際、裁判所内の内部手続きに時間がかかることが多く、かえって通常の裁判で進めていた方が早かったという事態も生じ得ます。
このため、執筆者は、紛争解決手段として支払督促を勧めたことは無いというのが正直なところです。
なお、紛争解決手段として裁判が選択された場合において、裁判に巻き込まれた側(被告側)の初期対応については、次の記事をご参照ください。
訴訟に巻き込まれた場合の初期対応について、弁護士が解説!>>
(6)刑事告訴
刑事告訴とは、犯罪行為を理由に警察や検察に申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことをいいます。
当事者の意向が刑事処罰を求める場合、この刑事告訴はぴったりの解決手法となります。
ただ、システム開発取引に関する紛争で刑事処罰を求めることは稀であり、一般的には金銭の支払いは使用差止といった民事事件に関する紛争解決です。このため、刑事告訴は直接的な紛争解決方法は言い難いところがあります。
もっとも、刑事告訴を行うことで相手方にプレッシャーをかけ、民事事件に関する紛争を有利に解決するという方法も考えられなくもありません。そういった意味では、解決手法の1つであることから、ここでは触れておきました。
なお、現場実務の感覚でいうと、警察や検察に告訴状を受け取ってもらえるまで非常に難儀します。特に、民事事件に関する紛争解決目的で刑事告訴を行うという意図を見破られた場合、警察や検察はあからさまに嫌悪の態度を示します。このため、刑事告訴を行うと、かえって民事事件に関する紛争解決に時間がかかるといったことも有るので注意が必要です。
刑事告訴を行う場合の注意点等については、次の記事をご参照ください。
刑事告訴を行う場合に注意するべき事項について、弁護士が解説!>>
(7)監督官庁への申告
例えば、相手方の行為が下請法やフリーランス法に定める禁止事項に該当する場合、監督官庁に申告することで、監督官庁が相手方を指導することになります。これにより、民事事件に関する紛争解決を促すことができますので、解決手法の1つとして挙げてみました。
ただ、下請法にせよフリーランス法にせよ、法律が定める形式要件を充足しないことには監督官庁は動いてくれません。また、仮に要件を充足しても、なかなか思うように動いてもらえないという問題は、上記(6)で解説した刑事告訴と同様です。さらに、当事者が問題視している事項には触れず、別の問題点を監督官庁が指導することで、直接的な解決につながらないといったことも生じ得ます。
したがって、正面から民事事件に関する紛争解決に役立つわけではないと考えておいた方が無難です。
3.紛争解決手段の選び方
上記2.で解説した通り、システム開発取引に関する紛争を解決するための手法は様々であり、状況に応じて適切な手段を選ぶことが重要です。
大まかな指針は次の通りですが、可能であれば、紛争解決のプロフェッショナルである弁護士と相談しながら選択することをお勧めします。
・一刀両断の解決を求めない場合 ⇒ 裁判外交渉、調停を選択
・法的請求以外の問題を解決したい場合 ⇒ 裁判外交渉、調停、仲裁を選択 ・終局的な解決策確保を重視する場合 ⇒ 裁判、仲裁を選択 ・法的強制力の解決策を求める場合 ⇒ 裁判、仲裁を選択 ・裁判外交渉を念頭に相手方に圧力をかけたい場合 ⇒ 刑事告訴や監督官庁への申告 |
4.システム開発取引に関する紛争について弁護士に相談するメリット
システム開発取引に関する紛争について弁護士に相談するメリットとして、次の5つがあります。
①専門的知識によるサポート
システム開発に関する契約や知的財産権、法律上の責任範囲に関して専門的な知識を持つ弁護士が、正確に状況を判断し、適切な助言を提供します。
②証拠収集および法的文書作成
紛争を有利に進めるための証拠の収集や、裁判や交渉等で必要な法的文書の作成をサポートします。
③第三者視点による冷静な判断
当事者同士では感情的になりがちな状況でも、弁護士が冷静な第三者の視点から判断し、最善の解決策を提案します。
④交渉・和解のサポート
交渉の専門家として、双方にとって最適な和解条件を引き出し、円満解決に導くサポートをします。
⑤紛争解決後の再発防止策の提案
解決後も、同じようなトラブルを避けるための予防策や、法的な体制強化についてアドバイスを受けることができます。
また、紛争発生の原因となる契約書の不備や曖昧な条項を弁護士が見直し、今後のトラブルを防ぐための改善策を提案します。
5.当事務所でサポートできること
当事務所は、複数のシステム開発会社の顧問弁護士を務めており、些細な(?)トラブルから本格的な裁判闘争まで様々な紛争処理を行ってきました。実例を踏まえた数々の知見とノウハウを蓄積していますので、ご相談者様には経験に裏付けられたアドバイスをご提供することが可能です。
上記に加え、当事務所はさらに次のような特徴を有しています。
①専門知識に基づく理解:当事務所の代表弁護士は情報処理技術者資格を保有し、システム開発取引に関する専門用語を把握していますので、理解ができない・理解するまで時間がかかるといった問題が生じません。
②カスタマイズされたサポート:企業の規模や業種に応じた法的サポートを提供し、それぞれのニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。
③早期解決を目指す交渉力:トラブルが発生した場合、法廷外での早期解決を目指した交渉に尽力します。
システム開発取引に関する紛争を早期に解決するために、当事務所の弁護士が全力でサポートすることで、ご依頼者様には、安心してビジネスを進めていただける環境を提供します。
<2024年12月執筆>
※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。
- システム開発取引でトラブル発生! 戦うための法的手続きと選択基準をアドバイス
- システム開発取引に伴い発生する権利は誰に帰属するのか
- システム開発の遅延に伴う責任はどのように決まるのか?IT業界に精通した弁護士が解説
- WEB制作・システム開発において、追加報酬請求が認められるための条件
- IT企業特有の民事訴訟類型と知っておきたい訴訟対応上の知識
- SES契約を検討する上でのポイントをSES事業者の視点で解説
- システム保守契約・運用契約書作成に際し、特に意識したい条項について解説
- オープンソースソフトウェア(OSS)利用時に注意すべき事項について(法務視点)
- ソフトウェア・エスクロウとは何か? 活用場面とポイントを解説
- システム開発契約における多段階契約・一括契約の選択ポイント等を解説