問題社員対応のための顧問弁護士活用事例
【ご相談内容】
期待されている成果を上げることができない従業員が、精神的に参っているようで、会社として対応に苦慮している。今後の措置を検討するに当たり、次の3点を相談したい。
①注意指導とパワハラの限界はどこにあるのか教えて欲しい。
②配置転換を行っても問題はないか教えて欲しい。
③休職させてもよいか問題がないか教えて欲しい。
【弁護士からのご提案・実施内容】
まず、「期待する成果」とは何かがはっきりしないこと、会社が求める成果と従業員が認識している成果とではズレが生じている可能性があることから、このズレを埋めることが先決であることを社長と確認し合いました。
そして、パワハラと言われないための注意指導方法について、厚生労働省が公表している資料やいくつかの裁判例をもとにイメージを共有し、問題となっている従業員との協議の進め方や想定問答などを詰めていきました。
このような事前準備を経て、問題となっている従業員よりヒアリングを実施しました。
その結果、従業員の意向も考慮しながら、別業務を担当してもらうこと、その際の会社として求める基準を提示し従業員と共通認識を構築しながら業務遂行することを確認し合いました。また、念のため医師の診察を受けるように指導し、診断書を発行してもらい休職までは不要という判断を行いました。
【その後の状況】
従業員の勤務状態や成果などを定期的に確認し、その都度ヒアリングを行うなど、会社として必要な応対や教育指導方法について、法務・労務的視点でのアドバイスを即時対応がしやすい電子メールで継続的に行っています。
なお、従業員に対して不信感を持たれないためにも、会社の方針はすべて顧問弁護士と相談しながら進めていることを告げているため、従業員としてもある程度納得しながら会社の考え方を受けれているようです。