フランチャイズ契約の解消と競業禁止(加盟者側での対応)
相談企業の業種・規模
■業種:教育業
■規模:10名以下
相談経緯・依頼前の状況
フランチャイズチェーンに加盟し一定期間が経過しているが、本部からは経営指導は一切なく、何のためにロイヤルティを支払っているのか分からない状態となっている。また、チェーンの名称も知名度があるわけではなく、集客への寄与、信用の維持向上に役立っているとも思えない。
フランチャイズ契約を解消し、独立して事業を営むことができるのか、話を聞きたい。
解決までの流れ
フランチャイズ契約を先に検討した上で、第1回目の法律相談に臨みました。
フランチャイズ契約に契約終了後2年間の競業禁止行為があることから、形式論としては独立して同一事業を行うことは難しいことをまずはご説明しました。もっとも、競業禁止義務自体を無効とした裁判例もいくつか存在することから、そのような事例に近い事例なのか検討することを提案し、ご相談者様より了解を得ました。
そのうえで、加盟勧誘時のセールストークはどのようなものだったのか、セールストークの内容はフランチャイズチェーン加盟後実施されていたのか、事業運営の状態はどうなのか、本部と話し合いができるのか、仮にフランチャイズチェーンより離脱した場合の経営の見通しはどうなのか、本部は何か対抗策を打ってこないのか等様々な事情をお伺いし、いくつかの対処法をご説明し、ご相談者様には持ち帰って検討していただくこととなりました。
その後、ご相談者様より連絡があり、第2回目の法律相談を実施することとなりました。
いくつかある対処法のうち、ご相談者様において絞り切れていないとのことでしたので、実行した場合に予想される動向、予想される期間、予想される費用などを具体的に説明させていただきました。そうしたところ、ご相談者様において、一対処法で進めていきたいとのご依頼があり、弁護士において受任しました。
本部側も弁護士を選任し、弁護士同士の交渉となりましたが、最終的には本部が黙認するような格好でご相談者様は独立を果たすことができ、事業継続が可能となり、作業完了となりました。
解決のポイント
本件の場合、フランチャイズ契約を如何にして解消するのかという問題と、フランチャイズ契約終了後の義務負担を如何にして回避するのかという問題の2つを検討する必要がありました。
これらの点について、フランチャイズ契約書の読み込み、裁判例を参照した理論武装と共に、フランチャイズチェーン離脱後の事業継続の可能性にもスポットライトを当てて、事前に十分戦略を練り、戦略実施後の微調整まで織り込んで、ご相談者様と弁護士との二人三脚で対処できたことが、ご相談者様の要望をかなえる上でのポイントとなりました。
解決までに要した時間
■約8ヶ月(第1回目の法律相談から、本部との最終交渉日まで)
当事務所ならではのサービス
残念ながら、ありとあらゆる事例において、競合禁止義務を無視して独立を果たすことは難しいと言わざるを得ません。
もっとも、当事務所は、逆の立場であるフランチャイズチェーン本部の顧問弁護士として活動実績もあることから、どの点を突けば本部に動揺を与えることができるのか等の急所を把握しています。そこで、この急所を突きつつ、何か突破口を見つけることができないか分析検証することで、見通しや方針をご提案することが可能です。