【事例11 共同事業のスムーズな解消策】
企業取引にまつわる法律問題に関する解決事例・実績
【事例11 共同事業のスムーズな解消策】
【お悩み事項】
双方のノウハウやアイデアを持ちあってプロトタイプの店舗を構築し、当該店舗を開業し運営することとなった。しかしながら、開業後、経営方針などで対立が生じてしまい、また運営状況も厳しいことから、当方としては事業の撤退を図りたいが、先方は反対している。
どのように対処すればよいか、アドバイスが欲しい。
【こうやって解決しました!】
共同事業に関する契約書があるとのことだったので、まずは契約書を精読しました。そうしたところ、双方の役割分担や利益の分配方法に関する取り決めはあるものの、具体的な契約期間や契約解消の方法については特段の定めが無い状態でした。
また、共同事業を行うに際して用いた資料や、これまでの経過等につきお話をお伺いした限りでは、契約の拘束期間についての取り決めもなく、共同事業の解消を念頭に置いた協議は行われていないように思われました。
上記のような状況から、法的には契約期間の定めのない契約と考えられること、期間の定めのない契約である以上は、原則的にいつでも解消できると解釈する余地もあること、但し、継続的契約という側面もあるので信義則上の制限がかかることもあることから、解消に際して一定の猶予期間を置くなどの緩衝措置を講じることなどを提案しました。
その後、解消に向けたスキームを作り上げ、先方との交渉を行った結果、何らの金銭負担を負うこと無く、共同事業を解消することができました。