消費者からのクレーム対応
相談企業の業種・規模
■業種:リフォーム業
■規模:30名以下
相談経緯・依頼前の状況
家の所有者からの依頼を受けて、建物内の壁や床、水回りの配置変更などのリフォームを行い、報酬請求を行ったところ、所有者の子供と名乗る者より、リフォームが十分に実施されていない、報酬が高すぎるといった主張を突如行ってきた。
このままでは報酬を踏み倒されそうなので、何とか回収の目途を立てたい。
解決までの流れ
リフォーム事業者において、相手方が主張する不具合の内容と事業者の見解をまとめた資料があるとのことでしたので、先にその資料を送付していただき事前に検討したうえで、第1回目の法律相談に臨みました。
資料を見た限りでは、明らかな不具合があるとは言えない状況でした。しかし、現地調査を行っているわけではないことを踏まえると、証拠が乏しいことから、まずは相手方の要求が不当なものなのか判断する材料を集めることが重要である旨指摘すると共に、証拠確保のための相手方との交渉方針をアドバイスし、第1回目の法律相談を終えました。
その後、リフォーム事業者より現地調査を行ったこと、現地の写真や動画を撮影した旨の報告を受け、第2回目の法律相談となりました。
あくまでも不具合があるか否かは第三者(建築の専門家)の判断を仰ぐ必要があるものの、画像等を見る限りでは明らかな不具合とまでは言えないこと、また、弁護士なりにインターネット上で他社事例を見た限り、不当に高額なリフォーム費用とまでは言い難いという結論に達しました。
そこで、あくまでも注文主は家の所有者である以上、息子と名乗る者との交渉は極力控えること、内容証明郵便を出すなどして淡々粛々と回収手続きを進める意思を示すこと、相手方が地域の消費者センター等に駆け込む場合があるが、慌てず騒がず弁護士と相談しながら手続きを進めていることに触れつつ状況説明を行うことをアドバイスし、第2回目の法律相談を終えました。
リフォーム事業者が内容証明郵便を送付したところ、注文主の息子と名乗る者からのクレーム連絡はなくなったものの、代金は未払いのままであったことから、別途費用が発生することをご相談者様にご了承いただいた上で、弁護士名義での内容証明郵便を注文主に送付したところ、支払いが行われたので、作業完了となりました。
解決のポイント
消費者よりクレームがあった場合、クレームが正当か否かの判断プロセスが重要となりますので、可能な限り、早めに弁護士と相談してほしいところです。
本件の場合、事業者としては色々と言い分はあるものの、肝心の証拠を押さえることができていない状況でした。ただ、その証拠は相手方の占有管理下にある建物内にある以上、自由に収集することはできません。
そこで、信頼関係が壊れかけている状況下で、どうやって相手方に不審がられずに証拠収集を図ることができるのか、交渉戦略を練り実践することができたのが、早期解決につながるポイントになったものと考えられます。
解決までに要した時間
■約3ヶ月(第1回目の法律相談から、代金回収まで)
当事務所ならではのサービス
本件の場合、最終的には弁護士がご相談者様の代理人としてクレーム対応を行いましたが、案件内容によっては、弁護士がバックでフォローしながら、事業者様主体でクレーム対応を行うという戦略をとることも可能です(弁護士が代理人として活動しない分、弁護士費用を抑えることが可能です)。
当事務所では、事業者様における費用対効果の考え方を踏まえ、クレーム処理方針に応じた柔軟な戦略をご提案することが可能です。