【事例2】販促活動・マーケティングの法規制に関する解決事例・実績(広告・表示に関する法務相談・リーガルチェック)
相談企業の業種・規模
■業種:小売業
■規模:5名以下
相談経緯・依頼前の状況
当社が運営するECサイトにて商品を販売したところ、購入者より返品要求があった。当社に責任がない事由による返品要求であったため拒絶したところ、後日消費者センターより連絡があり、通販画面の表示に不備があるため、返品要求に応じなければならないとの指導を受けた。
今後、このようなトラブルを避けたいので、通販画面のリーガルチェックをお願いしたい。
解決までの流れ
ご相談前に、ご相談者様が運営するECサイトを教えてもらい、そのECサイトの主要なコンテンツを事前に確認した上で、第1回目の法律相談に臨みました。
ご相談者様からお話をお伺いしたところ、ECサイトは10年くらい前に制作し一度も変更していないこと、画面表示・遷移は制作会社のサンプル画面に当てはめただけに過ぎないこと、利用規約やプライバシーポリシーは同業他社のものをコピペしたものであること、とのことでした。
そこで、弁護士より、①現状のECサイトは、特定商取引法が要求する画面表示・遷移とは言い難いこと、②利用規約等について、実情にそぐわないものになっている可能性が高いこと、③商品案内(広告)が、景品表示法その他法令違反の疑いがあること等の説明を行いました。また、違反状態を放置した場合のリスクや不利益等についても説明を行いました。その上で、時間の都合上、ネット通販における最終確認画面を切り出し、何を記載するべきか、どこに配置するべきかなどご説明を行いました。
ご相談者様としては、ECサイトの全面修正が必要となり、時間・労力・お金がかかることから一度持ち帰って検討したいとのことでしたので、第1回目の法律相談を終えました。
その後しばらくしてご連絡があり、段取りが付いたのでECサイトの修正作業中、断続的に相談に乗ってほしいとのご要望を受けました。そこで、ECサイトの修正作業期間に合わせたプロジェクト型顧問契約サービスをご提案し、了承を得て契約を締結しました。
ECサイトの画面表示・遷移については、制作会社からのレイアウト案に対して法律上求められる記載等を指摘させていただき、その内容に沿って制作を行っていただきました。また、利用規約等については現行法に合致しない内容も多数あったことから、改めて新規で作成し納品させていただきました。さらに、商品案内(広告)についても、問題となりそうな表現をピックアップし、代替表現案を含めご相談者様と相談しながら表現内容の修正を行いました。
新ECサイトが公開され、運用が開始されたことから、作業完了となりました。
解決のポイント
今やネット通販は当たり前の時代となっていますが、それに伴い様々な問題が発生しています。そして、この問題に対処するための法改正が頻繁に行われているところ、通販事業者において法改正内容を追いかけきれていないのが実情と思われます。
本件の場合、通販にはクーリングオフの適用がないので、お客様都合の返品要求には応じなくてもよいと安易に考えていたところ、実はそうではない(クーリングオフに代わる無条件返品制度が存在する)ということに後で気が付き、これを機にリーガルリスクを取り除くという選択肢を取った通販事業者の事例となります。
何か事が起こってからでは取り返しがつかないこともあることから、ECサイトを運営するのであれば、画面表示・遷移、利用規約・プライバシーポリシー、広告表示等については、弁護士によるリーガルチェックを受けておくことがポイントです。
解決までに要した時間
■約3ヶ月(第1回目の法律相談から、新ECサイト運用開始まで)
当事務所ならではのサービス
当事務所の代表弁護士は、行政機関より委託を受けてECサイト運営者向けに講演や相談員を務めていた経歴があり、また複数の通販事業者の顧問弁護士として活動しています。このため、日常的にネット通販に関する様々な問題を取り扱っており、相当数の知見とノウハウを蓄えています。