【事例2】売掛金などの債権管理・債権回収に関する解決事例・実績
相談企業の業種・規模
業種:製造業
規模:100名以下
相談経緯・依頼前の状況
断続的に発注のある取引先の担当者より商品の制作依頼があった。依頼時に指定のあった場所に納品し、取引先に対して請求書を発行したところ、取引先より、商品の制作依頼を行っておらず支払いを行うことができないとの連絡があった。
商品代金を回収したい。
解決までの流れ
お問い合わせの時点で、実際にやり取りを行った担当者の立ち位置や属性が問題になると考えたことから、問題となる以前の取引内容とその際の発注担当者、支払い状況などを整理していただくようお願いし、第1回目の法律相談に臨みました。
ご相談者様のご説明を踏まえると、今回の発注以外にも、過去において同じ担当者より発注があり支払いが行われていたこと、今回の発注と過去の発注内容につき大きな相違点がないといった事情を把握することができました。一方、実際に依頼を行ってきた担当者は、取引先を退職したとのことでした。
この時点ではやや腑に落ちないところがあったものの、まずは取引先の様子を見るためにも、弁護士名義で内容証明郵便を送付することをご相談者様にはご提案しました。ご相談者様において社内で検討したいとのことでしたので、第1回目の法律相談を終了させました。
数日後、ご相談者様より内容証明郵便送付のご依頼があったことから、送付手続きを行ったところ、取引先にも弁護士が付き、回答書が返送されてきました。
回答書を検討したところ、取引先が発注した時期はM&Aの実行中であり、現オーナーの了解を得た発注ではないので支払いができないとのことでした。
色々と悩ましい点があるものの、このままでは埒が明かないことから、訴訟を提起し解決を図ることとなりました。
訴訟では誰が発注者となるのかにつき双方の主張が激しく対立しましたが、背景事情を含めた細かな事情を積み上げていき、見事勝訴判決を得ることができ、取引先も控訴せず判決が確定し、支払いがあったことから、弁護士による作業は完了となりました。
解決のポイント
本事例の場合、取引先の新オーナーの認識という争点に引っ張られることなく、取引先の発注体制とそれを信頼したご相談者様が保護を受けることを中心に主張立証したことが功を奏したようでした。
過去の取引に遡って資料を引っ張り出し、整理しなおすという作業はかなり時間と労力を要しましたが、諦めずに対処し続けたことが解決のポイントとなりました。
解決までに要した時間
約1年(第1回目の法律相談から、第一審判決まで)
当事務所ならではのサービス
本件事例は、どちらに転ぶのか予測がしづらいものであったため、何が問題なのか、どこが弱点なのか、今からできることは何か等を十分に検証し、ご相談者様に説明し納得していただくことに時間をかけました。
当事務所では、ご相談者様にとって不利な立場となることが予想される場合、積極的に指摘することが誠意ある対応と考えています。そして、この指摘により、ご依頼を控えるという事態になったとしても、ご相談者様のご判断を尊重するようにしています。
困難が予想される案件において、回収可能性などとりあえずの見込みだけでも聞いてみたいというご相談もお受けしていますので、お声掛けください。
※上記はあくまでも一例です。案件ごとにより手順や結果が変わることもありますので、この点はご容赦願います。