問題のあるフランチャイズ加盟者への対応
相談企業の業種・規模
■業種:サービス業
■規模:30名以下
相談経緯・依頼前の状況
当社が考案したオリジナル指導法を元に、受講生に対して教育指導を行うフランチャイズチェーンを展開しているところ、一部の加盟者が異なる指導法で教育指導を行っており、受講者よりクレームが入る事態となっている。
何度も注意を行っているが、この加盟者は改めようとしない。
加盟者に対して何らかの対策を講じたいので、相談に乗ってほしい。
解決までの流れ
ご相談前に、フランチャイズ契約書とオリジナルの指導法を記載したマニュアル等を検討した上で、第1回目の法律相談に臨みました。
第1回目の法律相談において、異なる指導法を用いることで具体的にどのような悪影響が生じるのか、及びこれまでの注意内容とそれに対する加盟者の反応を詳しくお伺いしました。その上で、加盟者に対して、どこまで強い制裁を加えるのか、制裁する場合の手順、制裁処分を行った後の対処法などをご提案した上で、いったん持ち帰ってご検討いただくこととなりました。
その後、ご相談者様において方針が固まったとのことで、第2回目の法律相談となりました。この際に、今後の手続きの進め方・日取りを決めると共に、ご相談者様と弁護士の役割分担を確認し、実行となりました。
加盟者からは想定通りの反応がある状況下で、粛々と証拠固めを行い、最終的にはフランチャイズ契約の解除とチェーン専用システムの利用ができないよう措置を講じました。
元加盟者は弁護士を立て、解除無効と損害賠償の要求を行ってきましたが、即座に弁護士より要求には応じられないことを通告し、受講者の受入れなど対策を進めていきました。
そうしたところ、元加盟者が運営していた事業所は閉鎖され、分かる範囲で調査した限りでは競業行為を行っている様子もなかったことから、作業完了となりました。
解決のポイント
本部の指導を無視する、あるいは反発する加盟者がいる場合、本部としては直ぐにでもフランチャイズ契約の解消を含む制裁措置を講じたいと考えるかもしれません。
しかし、性急な対応は足元をすくわれかねず、かえって加盟者による問題行動を助長させ、フランチャイズチェーンシステム自体を毀損しかねません。
多少の時間はかかるものの、一歩ずつ着実に手続きを実行することで、最終的には問題加盟者の排除を実現することが可能になることを、ご相談者様にご理解いただけたのが解決のポイントとなりました。
解決までに要した時間
■約6か月(第1回法律相談から、加盟者弁護士への反論書送付まで)
当事務所ならではのサービス
当事務所は、複数のフランチャイズ本部の顧問弁護士として活動しており、フランチャイズ特有の問題につき、多数の事例を取り扱っています。