【事例3 団体交渉への対応】
相談企業の業種・規模
業種:建設業
規模:30名以下
相談経緯・依頼前の状況
当社の事務員が突如出社しなくなり、連絡も取れない状態となっていたところ、後日、××労働組合と名乗る者が来社し、団体交渉の要求を行ってきた。
どのように対応すればよいのか教えて欲しい。
解決までの流れ
お問い合わせ時に、団体交渉申入書に記載されている事項を教えてもらい、先に行ってほしい調査事項をアドバイスした上で、第1回目の法律相談に臨みました。
第1回目の法律相談において、ご相談者様より団体交渉自体を回避する方法がないかと尋ねられましたが、法律上不可であり、下手に回避すると事を大きくするだけなので得策ではない旨回答しました。そこで、団体交渉に応じることを前提に、当日までの段取りをどうするのかにつき、まずはご説明させていただきました。また、要求事項に対する背景事情及び事実関係につきお話をお伺いし、要求事項に対する大まかな回答方針を確認しました。さらに組合員となった従業員への対応で留意するべき事項、今後の処遇について協議を行いました。なお、ご相談者様より、団体交渉に弁護士が立会ってほしい旨の要請もあったことから、受任をし、労働組合への今後の連絡について、弁護士が担うことを確認し、第1回目の法律相談は終了となりました。
第1回目の法律相談終了後、弁護士が労働組合に対し、団体交渉申入書に対する回答書を送付すると共に、団体交渉開催に向けての事務折衝を行いました。
団体交渉当日、ご相談者様からは人事担当者と弁護士が出席し、団体交渉を行いました。双方の主張を確認し合うだけとなり、想定通り団体交渉の場で解決という運びにはなりませんでした。
そこで、団体交渉終了後、弁護士より労働組合に対して連絡を行い、何らかの解決策がないか交渉を進めていきました。双方折り合いがつきそうな落しどころが見いだせたことから、ご相談者様に報告したところ、解決を図るのであればやむを得ないとの回答を得ました。そこで、労働組合と合意書の締結を行い、労使紛争が終了となったことから、弁護士による作業は完了となりました。
解決のポイント
労働組合が介入した時点で、会社と従業員との信頼回復が難しいという事例であったことから、労働組合からの要求事項に対して適切に反論しつつ、一方で一定の解決金を支払うことで労働契約を終了させるという解決策を選択しました。
会社と従業員が直接交渉すると、どうしても感情的になりがちで進めづらいのですが、労働組合が介入したことを逆に好機と捉え、労働組合を通じて冷静に協議を進めるという方針転換を行ったことがポイントでした。
その結果、ご相談者様において一定の負担は生じたものの、当初の目的を達成することができました。
解決までに要した時間
約2ヶ月(第1回目の法律相談から、合意書締結まで)
当事務所ならではのサービス
当事務所では、これまでに複数回の団体交渉立会を行うと共に、労働組合が介入した労使紛争について複数の解決実績を有します。
労働組合が介入してきた場合の労使紛争は、通常の労使紛争とは異なる特有の手順・考え方が必要となるところ、当事務所では複数の取扱い実績を通じて、特有の知見とノウハウを保有していると自負しています。
労働組合が介入した場合の労使紛争、団体交渉への対応等でお悩みがある場合、是非当事務所までご相談ください。
※上記はあくまでも一例です。案件ごとにより手順や結果が変わることもありますので、この点はご容赦願います。