顧問弁護士の活用方法
顧問弁護士の活用方法
弁護士が提供するサービスは目に見えづらいものであるところ、顧問弁護士サービスに至っては、「結局、何をしてくれるの?」というご意見を頂戴することが多くあります。
そこで、顧問弁護士の活用例をいくつか記載します。
【活用方法1】契約書・通知書などは全件弁護士にチェックさせよう!
契約書は双方当事者の合意事項を書面化したものです。通知書は相手方当事者に対して貴社の考えを通知するものです。
このように書くと、内容は理解できているので「わざわざ弁護士にチェックさせなくても…」と思うかもしれません。
しかしながら、例えば契約書内容を十分に確認しないまま、あるいはWEB上から適当に探してコピペして使ったため、実際の取引内容と合致しておらず、あるいはリスクヘッジについて何らの手当てがなされていなかったため、いざという場面で何も役に立たなかったということも見かけます。
また、通知書についても、感情の赴くままに記載したために、後で記載内容を撤回できなくなったり、揚げ足を取られたり、自ら不利なことを自白してしまった状態に追い込まれたりするといった事例も見かけます。
こういった貴社の首を自ら締めつけない、ビジネスをより有利に進めるために契約書等をチェックさせることが、顧問弁護士活用の一例となります。
【活用方法2】紛争じゃなくても見通し・交渉戦術などを尋ねてみよう!
紛争になった場合はもちろん「今後どうなっていくのか」「どう対処すればよいのか」を尋ねるかと思います。これについては、どんどん顧問弁護士に尋ねてください。
ところで、弁護士は日常的に紛争案件を取り扱っていることから、逆算で「事前にこうすればよかったのに…」といった勘所やノウハウを持っています。
したがって、紛争になっていなくても、例えば、少し反抗的な従業員への注意指導を行うに際して、どういった点を注意すればよいのか、言い返してきた場合にはどう切り返すか、どういった想定問答・フローチャートを意識しておけばよいのか等、スムーズに物事を進めるために事前に聞いておくことが、顧問弁護士活用の一例となります。
【活用方法3】「顧問弁護士がいる」と対外的に言ってみよう!
正確な統計ではありませんが、私が関与している某ネット通販会社では、ホームページ上の会社概要欄に顧問弁護士の名前を書いただけで、通販利用者からの理不尽なクレームが激減したと言っていました。
また、某物流会社では、顧問弁護士に相談すると言っただけで、今まで難癖をつけて支払いを拒絶していた代金について、一転して全額の支払いを行ってきたこともありました。
これらの事例からもわかるように、貴社と対峙する第三者(例えば、取引先、消費者、労働者など)は、「弁護士を相手にしなければならない」というだけで相当な精神的プレッシャーを受けています。
円滑で正常なビジネス取引を行うために弁護士の名前を利用させてもらうことが、顧問弁護士活用の一例となります。
(もちろん、事後的な認識共有化を図る必要があります)
【活用方法4】家族、友人、知人、従業員にも利用してもらおう!
不安を抱えてしまうと、なかなか仕事に集中できないことは誰しも経験したことがあるかと思います。そして、その不安が法律に関係する問題であれば、法的に正確な知識を持ち合わせていないことから、ますます不安に陥ってしまいます。
このような場合に、まずは話を聞いてもらえる弁護士がいれば、進むべき道筋も見えてきますし、早期に不安から解放される効果もあります。
業務に支障を来すことなく、仕事に精を出してもらうために、弁護士を紹介し利用してもらうことが顧問弁護士活用の一例となります。
【活用方法5】とにもかくにも、まずは声をかけてみよう!
弁護士というと堅物で会釈の一つもせず、何を話してよいのか分からないという方もまだまだいらっしゃるようです。
しかしながら、顧問弁護士として籍を置かせてもらっている以上、私は、貴社のビジネスに少しでもお役に立ちたいと考えています。
そして、最新の法的知識の吸収はもちろん、業界誌からの情報取集、業界動向を踏まえた対処法など準備を行っていますので、是非ともお伝えしたいと思っています。
何気ない会話から意外な発想やひらめきが得られるようにするために、弁護士と雑談(?)するのも顧問弁護士活用の一例となります。